ぬかるなよ
2015-02-19
指先が冷えている
荷物を待っている
眠りに堕ちそうだ
午後を告げる列車 通過
肥料を撒いた
枯葉を踏んだ
配達車が玄関前に停車して
インターフォン
午後を告げる
定刻通り
万年筆のインクが薄れて
もう補充か
石ころころ庭先くずれたまま
直そうと思っていたのに
予算の都合いいわけしながら
また春 もう春 すぐに春
菜園ひろげて野菜ふやした
もしものときには役に立つよ
小さな被害も厄介だよ
覚えておきな
助けが来る 目の前を通過する
もっと悲惨な街があるから
食糧が来る 目の前を通過する
切羽詰った街があるから
ほうら 今日も 使い果たして 残り わずか
きっと 明日の便も 目の前を通過していくだろうさ
なにも得られないね
だれも救われないね
なにもない状況で
自分たちで なんとかしなきゃ
ガソリンなくなり お金引き出せない
寒さしのげる毛布もないが
自分たちで なんとかしなきゃ
自分たちで なんとかしなきゃ
助けを呼んでも止まってくれなかった 覚えておけ
自分たちで なんとかできるように 『次』があるなら
ぬかりなく やりぬこうや
ぬかるなよ
ぬかるなよ
ぬ か る な よ