『収穫祭あるいは文化祭ときどき体育祭』 

自由気ままな一人旅のように、自由気ままに言葉つづる時間。

冬飴

 からいしょうが 

 大晦日くらい掃除なんてするなよ

 ふだんからやっておくことだろ

 昨日までにすませておくんだろ


 
 あまいマーマレード

 なんにもしたくねえ


 いつもきれいにしてるじゃないか


 みんな休むんだから

 道具も休ませてあげなさいっ


 て

 教わらなかったのかい




 ああ めんどうな 言い合いなんて

 今年の初詣にもらっておいたお神酒で

 からいしょうが
 
 あまいマーマレード


 ぜんぶまとめて飲むんだよ




 年越しそばが車で来るまで

 コタツと毛布に包まっている

 からいマーマレード

 自分に あまく 


 なまけものみたいって

 このぐうたらめって

 言われるくらいで丁度いいんだよ


奇跡と引き合わされる瞬間

 

  ぼんやりと にじんだ 灯篭の その向こうに

  姿を見つける



  黄昏は 奇跡と 引き合わせる

  父と見送った 姉の後ろ姿 髪の長さ


  
  あむねじあ 知らない論理 狂わせる心


  今年 見送った 雨に濡れた文字の はがき




  忘れたわけじゃないのに

  思い出せない

  あの声 その顔 過ごした時間

 
  ぱっと 灯りがついた 夕凪

  ああ そうだったね


  と


  引き合わされる瞬間は 風に千切れて 心の欠片は乱舞

別の理由、氷菓子。とりあえず凍らせればOKみたいな何か。

______________________________________________________________________________

  それでも夏が好きだと言える理由

______________________________________________________________________________
      
       別の理由、氷菓子。とりあえず凍らせればOKみたいな何か。
____________________________________

 夜店で買った氷菓子という名の何か
 かきごおり シロップ かためられた何か

 浴衣は後ろ姿が好きだから
 大好き人と並んで歩いているのに
 見知らぬ誰かの後ろ姿
 ついついみとれてしまっている

 べっこうあめの味がする 綿菓子の感触
 ひんやりするのが氷菓子

 祭りが近い
 人生を棒に振っても良いと思える覚悟を持てたら
 人生を棒に振るなんてことにならないさ
 
 祖父の語る話は武士道と違っていても
 わがままを口にしたくなったら
 とりあえず心の中で死んでおきなさい
 厳しい言葉のなかにしか優しさなんか実感できない
 たまらなく逃げたくなってるなら
 とりあえず気持ちだけ殺しておきなさい

 苦しい意識の中から生まれる気持ちは本物だぞと
 祖父が語ってくれた祭りの夜の言葉
 とりあえず心の中で死んでから起きなさい


 祭りが近い
 知ってる人がいない
 ひとりぼっちかよ
 と思ったときに
 きみが現れてくれて嬉しい

 むやみにお願いするんじゃないよと祖母の声
 今夜を乗り切るために高利貸しに手を出したなら
 明日いちにち痛くてつらいよ
 見ていてください
 見守っていてください
 お願いじゃなくて誓いなさい
 おびえるぼくは大人の顔を見上げてばかり

 夜店で買った氷菓子という名の何か
 かきごおり シロップ かためられた何か
 漏れない紙で覆われた甘い誘惑
 
 浴衣は後ろ姿が好きだから
 大好きな人と並んで歩いているのに
 見知らぬ誰かの後ろ姿
 ついついみとれてしまっている

 それでもきみが一番だ
 
 闇の中で揺れる提灯が揺れている
 祖父母の言葉が蘇る
 生きているぼくは氷菓子
 きみと分け合いながら
 


_________________________________________
★ 

夏の終わりの切なさは好きです。苦しいけれど好き、なんだろうな。

廃車基地

 廃車基地

ある日 ぼくらの空き地に 車が来た
砂埃を舞い上げて 乗り捨てられた

ある日 ぼくらの空き地に 車が来た
ここは誰かの持ち物らしいと教えられた

春風ただよう 空き地に 車が来た

桜の花が散る 車の上に
白抜きの文字みたいに 花びらが浮かぶ

ある日 ぼくらの空き地に 車が来た
しその香りがあふれて 草は千切られた

ある日 ぼくらの空き地に 鉄が張られた
誰ひとり入ることができなくなった

ある日 ぼくらの空き地に 車が来た
ふかふかの草のベッドに 突っ込んだ

夏風わずかで 汗がしたたる
誰もいないことを確認して 鉄の隙間から
ぼくらの空き地に旗を立てて
ぼくらの空き地に水を運ぶ

ドアが壊れている車の座席を取り合いながら
確かに何かを学んでいたけど
なんのことだか分からないまま
笑いあって けんかして 

思い出が吐き捨てられる
砂埃を舞い上げて 乾いてしまう

ある日 ぼくらの仲間が 車で来た
免許を取ったから 親父のを借りてきたと

ある日 ぼくらの仲間が プランをたて
砂埃の舞い上がる 海岸道路
まさか一方通行だったなんて知らなかったんだよ
まさか一方通行だったなんて

もう空き地には戻れなくって
それが何処なのかも忘れて
仲間は車を買い替えて

ある日 誰かの広場に 車が来る
砂埃を舞い上げて 

春風ただよう 空き地に 車が来る

曇り空の荒れ狂う風


   曇り空の荒れ狂う風


 曇り空は憂鬱
 荒れ狂う風は衝動
 招く
 自分の内側から
 ずるずると引き出してくる

 それでも良いんだ
 憂鬱なのは事実なんだし
 衝動的に暴れたくなるのも現実なんだ
 抑える
 誰かが
 こうしなさいと
 自分の外側から
 ぎゅうぎゅうと潰してくる

 それは大切だからなのです
 あなたを愛しているからなのです
 と
 声がする

 自由なんてないよ
 あるのは許容範囲だけだよ
 大人に許された範囲内でだけ
 子供は笑う事ができる
 子供は叫ぶ事ができる
 子供は声を出せる
 いや
 泣く事さえも
 黙る事さえも
 大人に許された範囲内でだけ
 それだけ


 曇り空が好きだ憂鬱になれるから
 荒れ狂う風が好きだ無言でいられるから

 立ったままでいたいのに
 よろけてしまうくらいの
 風に吹かれているのが好きだ


 こんなに晴れているのに
 あそこだけの曇
 きっと遠い日の自分自身に
 降り注いでる豪雨なのです

通り雨だけ無言


      通り雨だけ無言


  もう嫌だな、なにもかも、と叫びながらペイヴメント

  いっそ全部、消えちゃえばいいのに、わめきながら濡れている

  そんなの嘘

  嫌じゃないのに

  消えたくないのに

  思い通りに生きられなくても 気にする事なんてないのに

  うしろゆび さされている気がして おびえている

  通り雨だけ無言



  きみの後ろに 誰かがいるけど

  うしろゆびさしてるわけじゃないんだ

  励ますつもりはないんだけれど

  おびえさせてるとしたら不本意だ


  好きな事をしてれば楽しい

  そんなの嘘

  苦しいくせに

  むかつくくせに

  もう笑顔の演技なんてしたくないくせに


  通り雨だけ無言



  うるさいだろう

  やめてくれよ

  うるさいだろう

  やめないよ



  ぼくは君の後ろに張り付いて

  ささやき続けるんだ


  通り雨だけ無言 
  


別の理由としてあげる、朝顔、その蒔く趣旨について。


       別の理由としてあげる、朝顔、その蒔く趣旨について。


_________________________________


 日よけにしたくて蒔いた朝顔の種子
 花が咲いたら目覚めが楽しくなった
 いつもよりも早く
 昨日よりも早く
 誰よりも早く
 目覚めたい

 一番乗り
 
 思いがけない効果は最初だけで
 特別な理由も
 いつしか当然の理由になって
 朝早くから咲くのを知っているから
 夏の早朝 一番乗りするために
 蒔いたんだ

 一番乗りを目指して蒔くのが朝顔の趣旨
 大人になっても変わらず愛でている花

 仕事の趣旨
 会社の趣旨
 組織設立の趣旨
 話の趣旨が思うように伝わらなくて
 とまどう

 希望の種子は一粒だけで儲けもの
 照りつける陽射しのなかで焦げ付きそうな
 惑わされないで誰かが沢山持っていたって
 その一粒には、かなわないんだ
 
 
 
 残暑の中で しおれている花びら
 ふくらんできているのは朝顔の種子
 目指す場所が変わっても
 高ぶる胸の鼓動が同じなら
 またどこかで逢えると思うよ

 グリーンカーテンに蒔いた朝顔の種子
 花の季節が過ぎて収穫のタイミングが近づくのに
 夏か始まる前の誓いは果たせたのかな
 本当は誰もが実現できているのに
 また来年に繰り越しだねと言い合っている
 本当は誰もが
 とっくに実現してしまっていることなのに


    
  

扇風機のタイミング


  扇風機のタイミング


 いつしまおうか 考えてると
 なんだか湿気 蒸し暑くって
 また風

 不自然な風でも気持ちいいんて
 愚か者だと笑うでしょうか

 きみの言い分 よくわかる でも嫌


 のどが渇いたら喫茶店
 ぼくが欲しいメニューは天然水
 愚か者だと笑うでしょうか
 混じりけなく美味しい水が飲みたいだけなんです
 

 暑さから逃げ出して
 寒さから逃げ出して
 どこに行くつもりですか
 ひとりで行くつもりですか
 
 きみは秋が好きだと言いました
 その理由を教えてくれました
 
 なんだかなあって気分なんだよ
 だって秋 こんなに暑いじゃんか
 あの雨雲が去ったら一気に寒くなるじゃんか

 ぼくの言い分 
 秋は上がったり下がったり浮き沈み激しいんです
 暑さは確かに厳しいけれど安定しているのが好きなんです
 
 浮き沈みの激しい毎日よりも
 毎日おなじ扇風機
 きみの浴衣 蚊遣り豚 けむり
 
 切り替えなくちゃって思うのに
 スイッチ入れてしまいます
 いっそ灯りもつけずに
 夜を闇のまま過ごせるとしたら
 ぼくも秋を好きになれるのに
 月明かりだけ
 月明かりだけ

図書館の葉緑素

    図書館の葉緑素




  いいこと思いついた
  って
  きみ笑う

  そんなこと言って

  ずっと前から
  たくらんでたくせに

 
  そりゃあ誰も口にしなくても
  気づいてるんだよ
  パッションフルーツ
  図書館のガラス窓
  おおいつくしていること


  葉緑素の働きは視認できないものでしょうか
  目には見えないはずなのに
  きみのたくらみなんて筒抜け
  
  いいねそれ
  って
  ぼく叫ぶ

  きみのたくらみなんて筒抜け
  胸のふくらみだって感じ取れる
  図書館の階段付近
  フィットしたセーターは
  まるで葉緑素の働き
  ぼくにとっての
  パッションフルーツ
  
  そこにある ここにある 息づいている
  胸のふくらみなでて
  靴脱げた
  足の裏に小石 粒 粒


  粒

  粒


図書館の見える坂道


    図書館の見える坂道

 
    そりゃそうだよね 
    つまんない話なんて聞きたくない
    でもなんでだろうね
    話したくってしかたない

    ぼくは きみの腰に 手をまわして
    夏服の薄さを感じ取る
    ささやかな段差を
    触りながら感じ取る
    まだここにいたいんだ

    図書館の見える坂道で
    あの扉をくぐってしまったらもう
    何も話せなくなる
    声を殺して
    伝え合うのは
    もう少し先延ばしにしたいから


    処女作を探し出して
    あのページをめくったなら
    何を放したくなる?
    自分殺して
    素直なふりを
    しつづけるの疲れてしまうだけだろ
    
    解き放そう

    図書館の見える坂道で
    西日さす街路樹の
    焼けてしまった葉っぱ
    無残だよ夢は叶わなければ
    悲惨だよ手のひらをかえすのは
    どんなに小さな粒だとしても
    こぼしちゃいけないもの


    夏の終わる気配
    ぼくは笑いたくなる
    日の短さを
    嘆いて祈って諦める
    どんなことよりも
    ぼくはきみの脚を撫でていられれば
    これでいいんだ 
  
 

ガラス越しの虹

   硝子越しの虹

 
 硝子窓の向こうに虹を見つけた
 直接、見たい、と思って廊下を走り
 外に出ると消えていた

 こんなことなら硝子越しでも良かったのかなって
 
 手に入れたいものがあるなら
 その瞬間に
 
 そんなの無理だよ

 本音ばかり口にするのは弱さばかり目立ってしまうから
 たまには嘘をついて強くなりたいって思うんだ

 硝子窓の向こうに虹を見つけた
 すごくキレイで見とれていた
 直接見ようよって君が言うけど
 ここがいいんだって答える

 誰もが与えられているのは
 こんな一瞬なんじゃないのかな

 じゃあ私、外で見てくるって君の
 腕を掴んで、たぐり寄せた
 一緒にいよう
 一緒に見よう
 
 ほら硝子越しだって虹は虹

 直接見れなかったと嘆く君に約束する
 一緒に見れる日もあるよ
 これからも一緒にいよう
 
 硝子窓の向こうに


 あるいは他の用事で急いで道を歩いているときに
 ふと見上げた空に見つけるかもしれない
 虹は

 そこに見えたなら

 見えた場所から見ていよう

荒削り氷

 荒削り

 未完成

 どちらも褒め言葉に感じられるなら

 まだまだ挑戦できる


 求める

 与える

 どちらも孤独では成り立たないから

 この一歩を踏み出してみる


 蒸し暑くて汗が止まらない

 なのに風は冷たく感じる

 秋の気配と感じるか

 夏の終わりと感じるか

 あの灼熱の空気の中で冬の序章は始まっていた

 荒削りのまま出すよ

 

丘の斜面


   丘の斜面


 急勾配の丘の斜面を転がりながら
 早く届けなくっちゃいけないよって
 荷物は しっかりフタしてある
 気持ちも しっかりフタしてある
 
 感情と感情が交差したら
 先に手を出しても良いでしょうか
 殴っても勝てるとは限らない
 撫でても愛せるとは限らない
 気持ちは しっかりフタしてある

 ひもを解いて
 たちあがる煙で
 なにがなんだかわからないのは
 ほんの一瞬だけの事

 ほら
 
 大人になったときに
 自分では気づけない
 水面を見なくちゃ
 鏡を見なくちゃ
 よろけて
 つらくて
 丘の斜面
 いつものように登れないとき
 ハッと気づく


 丘の斜面で叫んだのに
 自分の声が とても小さくて
 大声 大声 大声でろよ
 涙ばかり流れ落ちる

 
 急勾配の丘の斜面を転がりながら
 早く届けなくっちゃいけないよって
 何を急いでいるんだろう
 どこへ向かっているんだろう

 転がりながら考えている
 走りながら考えている
 きっと着いたときに分かるから
 ここを目指していたってこと
 
 きっと出会えたときに気づく
 誰に届けるべき荷物なのか
 
 それまでは転がれ

海の近く。


  海の塩を買ったときに
  どんな海だったのかと想像してみた
  きれいな海を想像したけれど
  実は、あんまり実際には見たことがない
  
  海の近くで生まれ育って
  あの汚さには慣れてしまってる
  ワカメは平気で食べられるけれど
  
  海の近くて生まれ育って
  あの醜さにも慣れてしまってる
  しょっぱい
  なめてる証拠さ


  どんな菌が繁殖していたって
  気にしなければ大丈夫
  そう思いたいところだけれど
  自覚していないだけで
  記憶していないだけで
  体は悲鳴をあげていたかもしれない

  海の塩を買ったときに
  どんな海なんだろうと想像してみる
  広告写真きれいな映像
  本当の姿を知らない

  海の近くで生まれ育っても
  塩をつくるところを知らない
  海の恵みにあふれているけど
  どんな恵みかよくわからない

  それでも水平線を仰いで
  水着姿を楽しんで
  潮風が気持ち良いと思えれば
  これはこれでいい気がする



雲の変化

  雲の変化


 気分が変わることなんて よくあること
 気にする事なんてない
 気分が軽くなるなんて あんまりない
 気にしない 気になる
 考え始めたらきりがないんだ

 いつも穏やかにいられるのなら
 それはその人の特徴だ
 いつも同じじゃいられない
 それもその人の特徴だ
 叫ぶ 声が出ないのに
 笑う 面白くないのに
 覚えていたくても忘れてしまうんだ

 雲
 ほら
 あの夏
 少年と少女の日々
 
 草を薙ぎ倒して
 走り続けた丘の果てまで
 なんにも知らなかったはずなのに
 最初から
 すべてが刻まれてるんだ
 
 言われたとおりに出来なくたって
 教わる事を覚えられなくたって
 遺伝子
 もともとそういうようにプログラム
 
 意志が強ければ変えられるかもしれない
 雲
 ほら
 もう飽きたのさ
 いざこざばかりの気だるさは
 少年と少女の日々


 心に 亀裂が 生まれた日
 どしゃぶりに あわてて 走り出した
 
 雲
 ほら
 あの夏
 冒険と情緒の皹
 割れて 
 砕けて
 飛び散る
 光

 汗なの 涙なの 雨粒なの
 ほら
 びしょ濡れのままだ

 ほら
 びしょ濡れの
 あの頃のままだ
 
 雲は変わり続けてく

井戸

  井戸



 冷たい水が欲しくて
 ちからいっぱいに引いた
 こんなにいらないよってくらい
 奔流

 加減が出来れば苦労しない
 やりすぎてしまうのも
 努力が足りないのも
 あんがい似てる

 深い
 深い
 底が見えない
 心
 光が足りないんだ
 ぼくは自ら輝けない
 

 不快
 過去が見えない
 不愉快
 未来が乾いて
 絶望の孤島であえぐ心
 救えるとしたら、それは


 引っ張って欲しい

 吊り上げて欲しい


 見たことのない闇に怯えても
 足元ふらふらさせるなよ
 天と地が感じられなくても
 胸の痛みを間違えるな
 意識を保てば倒れる事はないんだ
 壁づたいに手をあてて外を目指そう
 たとえ今は
 ぐるぐる回るだけだとしても

 ほら

 どこかで会った事のある顔が天から覗く日が来た
 
 きっと自分自身なんだよ、あの顔は
 逆光で良く見えていなくたって
 きみが欲しいものが何かを知っているんだ
 
 高い
 高い
 筒の中を引っ張られて
 引き上げられていくがいい

 自分の手を汚しながら彷徨ってきたんだ
 そのロープ離すなよ

 のぼろう

 ここが井戸だと気づくのは
 引き上げられてからでいい

 いまは世界のすべてを闇に感じても
 外に出られれば分かるんだ

 外に出なくちゃ分かりっこないよ

 井戸から出た人は水を見極められるという
 本当かどうかは
 もう知っているんだろう

 ほら
 
 世界はこんなに眩しい

虹の一瞬、あげいん。

虹は一瞬です。
 
でも、意外と長い時間です。




 その遠くの岬に私が降り立つ

 

 風の激しさに心を躍らせる一瞬



 あ、虹。





 緊張の一瞬




 怖いよ

 と言えないのです



 嫌だよ

 と断れないのです




 そのかわり


 自由自在に

 

 あ、虹。




虹の一瞬

虹は一瞬です。
 
でも、意外と長い時間です。

別の理由、海風。


           別の理由、海風。


 海風に吹かれていると、
 色々と思い出してしまうこともあるのですが、
 そんなこと、いちいち気にしなくてもいいかなって、
 どんどん心が軽くなるのです。

 潮風で髪を暴れさせながら、
 色々と思い出してしまうこともあるのですが、
 くよくよしたって始まんないし
 なるようになるで良いじゃんかっ
 自分に言い聞かせるのです。


 丸い何か
 石のような
 ガラスにしては
 透明感が足りません

 瓶の底の部分みたいです


 割れて砕けて底だけ離れて
 波に洗われ砂で削られ
 透明感が足りません

 
 海の向こう側の山が
 うっすらと紫色のように染まって
 街明かりの点描画が始まるのです。

たとえ遅くても

 たとえ遅くても、朝顔が咲くと嬉しい

 もう夏は終わったんだからと
 
 なんとなく寂しい気分を味わっていると

 庭に朝顔 いつもより濃いめの色の

 
 たとえ遅くても、朝顔が咲くと嬉しい



 もう つるは 頼りなく 細く見えて

 朝日を受けながら どこか弱々しくて

 それでも咲いている

 遅くたって、いいじゃないか
 
 と言ってみる


 遅れたって、いいじゃないか


 と言ってみる



 声に出さないのは

 誰かに反論されると白けてしまうから


 世の中 早いほうが良いっていう人もいて

     早くしなきゃって急いでる人もいて


 
 遅くたって 遅れたって 花は花

 朝顔を黙って見ていると

 寂しい気分が消えていた


 

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プロフィール

souheishimizu

Author:souheishimizu
 

清水漱平










言葉を綴り、


ときどき線を描き、


まれに色を塗ります。




collaborator



Come attracted a wave of summer
Moving by TOM'ambitious Laboratory.




Site design by CC Workshop
Wireframe advice by Qing Fortunati

Blog Butler by JOHN Dapps




Solution Focus Approach by Alician F Alliance




Drawing by lomeqatrive@pixiv




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